アトリエではできるだけ最前列に陣取ります。
6Bのエンピツを2本。幅が1cmもあるぶっといエンピツ(アウトラインを描くため)。
それぞれ先をシャッシャッと尖らします。それと特製の擦筆。
これらを束ねて左手に握り、クロッキー帳を膝に広げます。準備完了だ。さア行くぞぉ〜。
モデルと対峙。全神経を集中しての1ポーズ数分間。心身共に充足の時になります。
もう20年近く前。恵子に誘われてクロッキーアトリエへ行きました。そうか
ヌードモデルを描くのは学生時代の続きだよな。と気軽に描き始めましたが、
出来ん!無残!むちゃくちゃなのが出来ました。
帰りにお好み焼き屋に入ってビールをガブリ。ニガイだけだった。失望落胆の想い出です。
それから続けて描き、10年くらい経ってまあ、ちょっとマシか。となりました。
でも少しでも間が空くとドンと腕が落ちる。
演奏家が練習をサボると聞いてわかるのと同じだろうなと納得しています。
モデルのポーズをしっかり目に焼き付け、スケッチブックにアウトラインを描きます。
全体のバランス。流れを把握して要所要所を抑えます。
あとは一気呵成だ。
2時間で10枚ほどのクロッキー完。最初のはぎこちないけど、終わりがけは少しなめらかに。
まあ、ちょっとマシか。となれば幸せ。
モデルは一糸まとわない若い女性だけど、当方は色情超越。
あくまで描くためのモデル(こっちがジジイってこともあるけど)です。
例えて言えば、武道(真剣勝負)でしょうか。
渾身の力をこめ、精神を集中して狙い定め、放った矢が的の中心を射抜くような。
でもまだ那須与一のようにはなれません。
いつまで経っても求道者かも。諦めず、これからも出来ばえを期待して精進の心境です。
私はデジタルアート専門だけど、100%アナログ造形に没頭?の不思議な側面です。
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