わたしのクロッキーは、人体をシンプルな線で描くことを心がけています。
複々線ではなく、強弱のある単線で。
それでバランスのとれた人体が描けたときは、とても幸せです。
顔が可愛いいなぁ。とか立ち止まっていては数分ではとても全身を
描くのは無理です。
あくまで特徴のみをとらえて線を引く。その線は自分の呼吸に合ってくる。
かそけき線は、軽く、弱く。骨格が見えるようなところは強く、
太く、と言った具合に
また、線はなくてもいいところがある。見るものの目がつながって見る。
そんなクロッキーができたらいいなぁと常々思っています。
でも、未だできていません。
次に重心のかかっているところは、右脚か左か、おしりか、背中か、と
いったところを見なくてはバランスを失います。
いろいろな体形のモデル。数分で変わるポーズ。モデルも描く方も
真剣勝負です。
そこにクロッキーの面白さがあるのではないでしょうか。
とはいっても、13ポーズに1枚できたかなと思えるのがあればよい方です。
でも、変てつもない日常の中に、この緊張感ある時を持てること、
それはとてもうれしいことです。
そんな魅力にひかれ、このごろはひと月に一度だけれどクロッキーを
描けるのを、楽しみにしているのです。
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