▶︎人物画
人物画はモデルのかもし出すムードに、心ひかれることにはじまり、そこでポーズや色は
決まってきます。次に人体はその人なりの美しいバランスがあります。
いくら顔ばかりよく描けても、見る人の目がきになるところで停止します。
それでは全体のムードが伝わりません。私は省略をきかせた大胆なタッチで描くのが好きす。
もちろん、バックとの色や形の調和に気を配ります。
人物は何枚描いても、一枚一枚、新しい魅力の発見があり、心満たされるモチーフです。
▶︎静物画
次に静物画ですが、花をよく描きます。感動はあまり長続きしません。花の命は短いのです。
集中力が持続する間に仕上げます。
何週間も一枚に時間をかけることはあまりありません。
失敗作もいっぱいできます。手を入れれば入れるほど、はじめのときめきは消失して
しまいます。
”赤いバックのカサブランカ”は気に入った一作です。
ガッシュでわりに早く出来上がりました。
▶︎風景画
風景画はその場に行って描くことが多いです。
通りすがりに発見した描きたくなる光景ってありますよね。
ドイツを旅していた時、マインツの駅の売店で美しい店員さんが長電話をしているのに
気がつきました。
思わずその光景をスケッチしました。日本に帰ってから、さっそく油絵にしました。
富士山の絵は朝、ホテルの窓をあけると、朝日に映えるあまりにも美しい富士!
水彩でスケッチしました。
風景を描くことは出会いの楽しみでもあります。旅をしなくても、すぐ近くに、
今まで気づかなかった魅力ある光景が待っているかもしれません。
平凡な、見慣れた場所に、黒猫が横切っただけで、絵になるものに変わってしまう。
これも出会いの楽しみでしょうか。
竹中恵子
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