シモネッタ・ベスプッチ
15世紀。フィレンツェで一番の美女だったそうです。550年以上
前のことですね。さしずめ小野小町ってとこ。
フランクフルトのシュテッデル美術館にイタリアルネサンスの画家
ボッテッチェリ描く彼女の肖像画がありました。
長い歳月を経てくすんだ画面の修復が終わったからでしょうか。
街の広告塔に大きなポスタートがベタベタと貼ってありました。
21世紀の都市に15世紀の肖像画。それがちっとも違和感なく。
風景に溶け込み不思議に美しい。
15才かそこらで結婚しているのに、ジュリアノ・メジチの愛人と
か、超美貌の評判。絵描きがこぞってモデルにしたりしたようで
す。結核で23才(1476)で亡くなるのですが、フィレンツェ中の
教会の弔い鐘が鳴り響き、ダビンチがデスマスクをスケッチしている。ほんと?。
(生前はもちろんだが、死顔はもっと美しかったとか)すごいタレント。
当時の美人の条件のひとつが、おでこが広いこと。生え際を剃って額を広げ、そこにオリーブ
オイルを塗ってこすったとか----ウソ? へ〜んな美意識。さらにボッテッチェリの「ヴィー
ナスの誕生」は彼女をモデルにして描いたと言われています。(描いたのは彼女が亡くなった
数年後。写真なんて無いのにぃ〜)
長い長い髪の毛。ディフォルメした人体。スゴイ
撫で肩。(髪の毛をなくしたらこんなのかな)
しかし、全体バランスは不自然なし。しっかり
している。上手い!の一語。
以前、ウフィッチ美術館でこの絵を見ました。
一緒に行ったヨメはんがぎっくり腰になったので、
やむなく車椅子に乗せ、 Pardon. とか Excuse
me とか言いながら絵の前へ。
邪魔されない。退けとも言われない。押されない。
車椅子の後ろの私は役得。飽きるまで眺めました。(この方法は役立ちますよ。皆さま)
長いことヴィーナスを見ていてフト気が付いたのが、この子はデベソだ。今まで誰からも指摘
されていない。美術史上の重大発見だと。(それがどうした。作品の値打ちが下がったか。
と言われればハァ⤵︎ですけど)
10数年もヌードクロッキーをやっていて、一糸まとわない若い女性は100人もっとか描いた
けど、デベソの娘はいなかった。(子供の頃、オマエノカ〜サンデベソと囃したから、そんな
女性もいるのだろうな)
シモネッタ・ベスプッチを21世紀女性に置き換えたらどうなるだろう。横顔の娘の写真を
探し、あの娘は目玉だけ、この女性は鼻。口もとなど。パーツを抜き出し、顔の輪郭はオリ
ジナルになぞらえ、新たに形作りました。
(鼻は普通よりウンと引き伸ばして・手配写真風モンタージュ)できたのは全く架空の女性。
パロディは現代風お遊びです。でも市民権は得ているはず。
ボッテッチェリが見たら怒るかな。呆れるかな。苦笑いで済むかな。皆さまどう思われます?
モデルはすべてシモネッタ・ベスプッチ。左から二つの窓がある肖像画はすでにあちらの世界に行った人を意味するらしい。
腕を上げたうすものの女性は有名な「春」の三美神のひとり。右端、セピア調画はレオナルド・ダビンチが描いた彼女の
デスマスクとか。真偽のほどは不明。
架空の現代風シモネッタ・ベスプッチをでっち上げました。